表現力の女王

FLASHの五輪記事を読んでいたら、なんで浅田が「鍵」なんていう重苦しい曲を選んだのかまったく意味が解らない。完全に選択ミスだと書いてあったので、ちとプチっときた。

ちょっと調べればすぐ判ることなのに、知らん振りしてコキ下ろすとは、まったく日本のマスコミは酷い。

もっとも光文社の本社は音羽にあり、音羽は鳩山一族の音羽御殿があるところだから、音羽グループは向こう側に有利な記事を書くのは当然と言えば当然かも知れない。

既に世界選手権は、高難度のジャンプにもっと加点するべきという動きになってきているようなので、ここでキム・ヨナが参戦回避した場合は流れが一気に変わって、日本のマスコミも掌返していきなり真央絶賛を始めるかも知れない。

ヨナが世界選手権回避すると、来年の世界選手権の韓国の出場枠が消滅するから、ヨナには出るべきだというプレッシャーがかかると記事にはかかれているが、韓国の国内選手権の選手の得点を見ると、トップでも150点に達していなかったので、それだと世界レベルの大会に出ても仕方ないので、枠が消滅しても特に困らないだろう。

貶されるよりは誉められるほうがもちろん嬉しいが、光文社がオリンピック直後にコキ下ろしていたことは覚えておこうと思う。

フィギュアの曲としては難しい「鐘」

さて、真央が今回FSに使った曲「鐘」だが、重厚でスローテンポな曲で、フィギュアの曲としては使いこなすのが難しい曲と言える。

フィギュアではないが、バレエではアップテンポな曲は簡単だが、スローな曲は難しいというのが常識で、同じ曲でも演奏のテンポをスローにしただけで、間の取り方やポジションの維持の難易度がすごく上がるので、スローな曲は激難しいとされている。
それだけに、スローな曲で演技をキメられるプレイヤーというのは、卓越した技術と表現力を持っていると認識されるのが、身体表現芸術での一般常識ということになる。

タラソワがこの曲を選んだのには、非常に深い意味と意志が込められていると考えられる。

おそらくは、メディアがこぞってキム・ヨナの表現力がパーフェクトだと賞賛しているのに対し、本当の表現力の女王は真央なのだと主張する意図を込めたのではないかと。

「鐘」は、本来はトリノオリンピックで、ミシェル・クワンが使うはずだった。

クワンはタラソワが振り付けをした選手で、それまで金こそ逃してきたが、世界最高の表現力を持つフィギュアの女王として有名な選手。

タラソワはトリノ用の決戦プログラムとして、クワンに「鐘」を用意した。

しかしクワンは負傷のためトリノを欠場せざるを得ず、「鐘」は幻のプログラムとして終わっている。

キム・ヨナは各種インタビューで、クワンに憧れてスケートを始めたと言っており、クワンのような表現力のあるスケーターになりたいと、常々語っている。

つまり、自分が現代のクワンであり、表現力の女王だと。

日本のメディア上では、真央はジャンプ技術はあるが、表現力ではヨナに劣るというのが定説で、乱暴に言えば真央には大した表現力はないと言っていることになる。

タラソワは、クワンが使うはずだった「鐘」を真央に与えた。

これは名伯楽タラソワの目から見て、真央はクワンに匹敵する表現力を持っているから、クワンぐらい高い表現力を持っていないと使いこなせない「鐘」でも、真央ならやれると判断したから与えたのだと思う。

つまり現代のクワン、表現力の女王は、キム・ヨナではなく、浅田真央なのだと表明する意志が「鐘」には込められているのだと思う。

ルールと審判はヨナ陣営の味方で、点数ではとうやっても勝てないかも知れない。

しかし技術では3アクセルを飛ぶこと、表現力では「鐘」を使い切って見せることで、点数には出ないけれども、誰が本当の女王なのかを世に示す。そういう強い意志がこの選曲には込められていたのだと思う。

実際、点数では大差をつけられてしまったわけだが、生で3アクセルを見て、「鐘」を肌で感じた会場の人たちは、そんなに点差が出る内容ではなかったことは良く判ったはずだろう。

Queen of triple axel

エキシビジョンの選手紹介で、真央は Queen of triple axel と紹介された。

金メダリストが居る前で、他の選手をQueenと呼ぶのは金メダリストに敬意を払っていないとも取れるので異例のことだと思えるが、バンクーバーの現地の人たちは、真央をQueenと呼んでくれたのだから、実にありがたいことだ。

難しいものを徹底的に避け、見た目を美しくして点を取りに行った選手と、技術も表現の難易度も極限のところまで挑戦した選手と、どちらが本当にすごいのか、結局は見た人ひとりひとりが自分の心で判断するしかない。

ルールに適合していて点を取れるのは確かに優秀ではあるが、結果の数字や、マスコミのアゲサゲだけで選手の努力と功績を判断して欲しくはないと思う。

マスコミの作った空気ではなく、自分の心で決めて欲しいと願う。
表現力の女王 URL www.whitening-cosmetics.net

真央、世界選手権Vに追い風 3回転半得点アップの可能性

浅田真央は技術力、表現力ともに世界No1のフィギュアスケーターであることに間違いはない。

ではなぜ、金メダルが取れなかったのか?

浅田真央の性格は、競技者としてのアスリートに向いていないからだ。

常に自分の理想のビジョンを持って、それに近づくために練習を重ねて実現されている技術力、表現力なのだが、競技になると競争になる。

理想ではなく、競争に勝つことが金メダルを取るということになる。

浅田真央は、この人と競うということが苦手なように見える。